Rule Book

REMNANT

01.あらすじ

突如として空を裂き現れた「ゲート」。
そこから這い出したのは、既存の兵器が一切通用しない絶望の象徴――「怪獣」だった。

人類は無力だった。
ミサイルも、最新鋭のレーザー兵器も、怪獣の皮膚に触れることすら叶わない。
彼らの周囲には物理法則をねじ曲げる見えない斥力場が展開されており、人間界のあらゆる武力は、標的に届く前に無残に弾き飛ばされてしまうからだ。

しかし、偶然にも発生した「怪獣同士の共喰い」が、人類に唯一の希望を示す。
怪獣を殺せるのは、怪獣の力のみであると。

国家共同体は、対怪獣特化組織『怪獣災害防衛部隊』を設立。
怪獣遺伝子の解析により、人類を怪獣化させる改造手術、通称「ロアド計画」を始動した。

しかし、人間サイズの改造人間――「ロア」の力をもってしても、山のごとき巨躯を誇る怪獣を仕留めるには至らない。
そこで組織は、複数の怪獣遺伝子を掛け合わせたハイブリッド・クローン怪獣「レムナント」を開発する。

「レムナント」には、製造段階で「ネズミの遺伝子」と、それを活性化させる特殊なナノマシンが組み込まれた。
これにより、巨大怪獣を打ち倒した直後、レムナントを一時的に「ロア」が駆除可能なサイズまで強制的に小型化させることが可能となった。

怪獣を以て怪獣を屠り、その残滓を自らの手で刈り取る。
それこそが、人類が到達した唯一の反撃策である。

一つを滅ぼすために、次なる怪物を産み落とし続ける――。
この終わりのない連鎖を維持するために、常に新鮮な怪獣の遺伝子が必要だ。

君たちは「ロア」として、怪獣界へと足を踏み入れる。
世界の存続に必要な「遺伝子」を、持ち帰るために。

02.作戦シークエンス(ゲームの進行)

1セッションは、以下の6つのフェーズ(段階)を経て進行します。

Phase 1:出現(プロローグ)

ゲートより未知の怪獣が出現。その脅威と特性が、防衛部隊本部よりロア(プレイヤー)たちへ通達されます。

Phase 2:採取(探索パート)

怪獣界へ転送され、レムナントの製造・強化に必要な「遺伝子(リソース)」を収集します。全7回のイベントが発生し、ロアたちの感覚機能が試されます。

Phase 3:構築(レムナント設計)

持ち帰ったリソースを投入し、クローン怪獣「レムナント」を急造します。どのステータスを伸ばし、どの武装(ダイス)を与えるか、プレイヤーたちが設計を行います。

Phase 4:交戦(巨大怪獣戦)

完成したレムナントを戦場へ投入。プレイヤーはレムナントを操作し、現れた怪獣を屠ります。

Phase 5:処分(小型化レムナント戦)

勝利直後、ナノマシンにより小型化・弱体化したレムナントを、ロアたちが自らの手で「駆除」します。これこそが、作戦の真の完遂条件です。

Phase 6:帰還(エンディング)

任務の成否、そしてロアたちが「人間」として帰還できたかを確認し、物語は結末を迎えます。

03.キャラクター(ロア)の構築

プレイヤーは対怪獣特化組織の改造人間「ロア」となります。
自身の役割(タイプ)を選択し、割り当てられたリソースを用いてステータスを決定してください。

①タイプの選択

ロアには、組み込まれた怪獣遺伝子の特性に応じて4つのタイプが存在します。

パワー

圧倒的な筋力と破壊力を持つ。小型化したレムナントを迅速に粉砕する。

スピード

高い瞬発力と反応速度を持つ。敵の攻撃を回避し、手数で圧倒する。

ディフェンス

強固な外郭や再生能力を持つ。仲間の盾となり、戦線の崩壊を防ぐ。

探索

五感と脳機能が極限まで強化されている。怪獣会での遺伝子(リソース)収集に特化している。

キャラクター情報

ステータスには一切影響しませんが、そのキャラクターの生い立ちや性格を決める指針となる情報です。
ロールプレイなどの方向性を決めることにもなります。

②初期ステータスの設定

戦闘ステータスと探索ステータスに別れており、それぞれに振り分けポイントを振り分けてもらいます。
初期ステータスはタイプによって決まります。
ステータスは下記を確認して作成してください。

戦闘ステータス

HP・力・防御・速さの4つから構成され、それぞれの値が数字で表されます。

振り分けポイントは5ポイントです。以下の項目に自由に割り振ります。

力・防御・速さ:1ポイントにつき+1
HP:1ポイントにつき+10

戦闘ステータス画像クリックで拡大できます

探索ステータス

視力・聴力・嗅覚・触覚・知識の5つから構成されます。それぞれの値が数字で表されます。

振り分けポイントは6ポイントです。以下の項目に自由に割り振ります。

視力・聴力・嗅覚・触覚・知識:1ポイントにつき+1

探索ステータス画像クリックで拡大できます

③戦闘ダイスの設計

ロア(およびレムナント)の行動を決定する「専用6面ダイス」を設計します。
最大13ポイントのリソース内で、6つの面に以下のコマンドを割り振ってください。

必殺

コスト:5ポイント
自身の「力」の3倍ダメージを与える。相手が「防御」「大防御」を選択していない限り、防御数値を無視(貫通)する。

タイプ専用技

コスト:3ポイント
自身のタイプに応じた特殊行動。以下の強力な技をスロットに組み込めます。

【パワータイプ:貫通攻撃】
敵の防御力を完全に無視し、自身の「力」の数値をそのままダメージとして与える。

【スピードタイプ:連撃】
通常攻撃を、自身の「速さ」と同じ回数だけ繰り返す。

【ディフェンスタイプ:大防御】
1ラウンドの間、防御力を3倍として扱う。さらに、敵の攻撃力を上回った数値分のダメージを相手に跳ね返す(連撃の場合、すべての攻撃に対して判定を行う)。

【探索タイプ】
戦闘の基礎ステータスが低い代わりに、コストを支払えば全タイプの専用技の中から自由に選択・混在させることが可能です。

攻撃

コスト:1ポイント
通常攻撃。ダメージ算出は(自身の力)-(相手の防御)となる。

回復

コスト:1ポイント
HPを10回復する(最大値を超えての回復は不可)。
※レムナントは回復コマンドを使用できません。

防御

コスト:0ポイント
1ラウンドの間自身の防御力を2倍として扱う。

04.採取フェーズ(探索パート)

ゲートを抜け、怪獣界へと足を踏み入れたロアたちは、全7回の「採取イベント」に挑みます。ここでの成否が、最終兵器である「レムナント」の性能、ひいては人類の命運を左右します。

①探索の流れ

1.イベントの発生

1回ごとにGMがシチュエーションを提示(またはランダム表で決定)。

2.能力判定

その状況に最も適した感覚ステータス(視力・聴力・嗅覚・触覚・知識)を用いてダイス判定を行います。

3.遺伝子(リソース)の獲得

判定に成功すると、レムナントの構築に必要な「遺伝子(リソース)」を獲得します。

②探索ステータスの役割と判定のイメージ

視力

遠方の怪獣の捕捉、地形の把握、弱点箇所の目視。

聴力

地鳴りや咆哮による接近感知、遮蔽物越しの生存確認。

嗅覚

腐敗臭やフェロモンによる怪獣の種類の特定、空気中の成分分析。

触覚

地面の振動感知、体液や細胞の直接的な採取、斥力場の揺らぎの感知。

知識

怪獣の行動パターンの推測、過去のデータとの照合、効率的な採取順序の策定。

③探索判定の仕組み

イベントごとに提示される「成功値」に対し、ダイスロールとステータスの合計値で挑みます。

判定式

1d6 + (対応する探索ステータス) ≧ 成功値

成否の判定

成功
合計値が成功値以上であれば、そのイベントに設定された「遺伝子(リソース)」を獲得します。

失敗
合計値が成功値未満の場合、リソースは獲得できず、貴重なイベント回数(1回分)が浪費されます。
また、場合によってはロアのHPが減少するなどのペナルティが発生します。

④チームでの探索ルール(複数人プレイ時)

パーティーで挑む場合、特定のロアに負荷が集中しないよう以下のルールを適用します。

1.連続行動の制限

同一のロアが2回連続でメイン判定を行うことはできません。
一度判定を行ったロアは、次のイベントでは「支援」に回るか、待機する必要があります。
(※ソロプレイ、または判定可能なメンバーが1名しかいない状況を除きます)

2.支援行動

メインで判定を行うロアに対し、他のロアが「支援」を宣言できます。

支援の効果
メイン判定の合計値に +1 のボーナスを与えます。

条件
支援を行うロアは、そのイベントに適したアドバイスや補助(例:知識による解説、聴力による方向指示など)をロールプレイで提示してください。
※同じロアが「支援」を2回連続で行うことはできません。

⑤遺伝子(リソース)の種類

獲得できる遺伝子には、以下の4種類が存在します。

【力】の遺伝子

レムナントの「力」を上昇させる。

【速】の遺伝子

レムナントの「速さ」を上昇させる。

【防】の遺伝子

レムナントの「防御」を上昇させる。

【命】の遺伝子

レムナントの「HP」を上昇させる。

05.構築フェーズ(レムナント設計)

採取フェーズで獲得した「遺伝子(リソース)」を統合し、対怪獣兵器「レムナント」を完成させます。
【ステータスの割り振り】と【戦闘ダイスの構築】の2つを行います。

①ステータスの割り振り

レムナントもロア同様、パワー・スピード・ディフェンスの中からタイプを選択し、遺伝子(リソース)を割り振ります。
※探索タイプはありません。

レムナントの基礎ステータスは、タイプごとに決まっており、HP・力・防御・速さの4つから構成されています。

戦闘ステータス画像クリックで拡大できます

最終的なステータスは、基礎ステータスに遺伝子(リソース)を割り振った数値の10倍となります。

遺伝子の割り振りもロアと同様、以下の通りです。

力・防御・速さ:1ポイントにつき+1
HP:1ポイントにつき+10

例:パワータイプのレムナント

基礎ステータス
HP:150
力:4
防御:1
速さ:2

力の遺伝子を2ポイント、防御の遺伝子を1ポイント、命の遺伝子を1ポイント割り振ると、
HP:160
力:6
防御:2
速さ:2
となります。

最終的なステータスは
HP:1600
力:60
防御:20
速さ:20
となります。

②戦闘ダイスの構築

レムナントもロア同様に行動を決定する「専用6面ダイス」を設計します。
ロア同様に以下のルールに従い、6つの面にコマンドを割り振ってください。

リソース:合計13ポイント以内
作成ルール:選択した自分の「タイプ」に応じた【タイプ専用技】を組み込むことができます。
※回復コマンドは使用不可となります。

詳細は「キャラクター(ロア)の構築③戦闘ダイスの設計」セクションを参照してください。

③設計上のジレンマ(警告)

プレイヤーは、レムナントの設計において常に以下の矛盾に直面することになります。

【重要:自己防衛のための警告】

強力なレムナントを造れば、Phase 4(対巨大怪獣戦)の勝率は飛躍的に高まります。

しかし、勝利の直後、ナノマシンによって小型化したそのレムナント(ステータス1/10)を、君たち自身で「駆除」しなければなりません。

「自ら設計した凶悪なダイス構成」を持つ怪物を、君たちは20ラウンド以内に仕留めることができるでしょうか?

勝利のために強く、生存のために弱く。その歪なバランスこそが、構築の本質です。

06.戦闘フェーズ:対怪獣・対レムナント戦

本ゲームの戦闘は、構築した「戦闘ダイス」を振り、その出目に従って行動を決定する「コマンド・ロール・バトル」です。

①戦闘の流れ(ラウンドとターン)

戦闘は以下のサイクルで進行します。

ターンの進行

ステータスの「速さ」が高いキャラクターから順に行動を開始します。

ラウンドの完了

全員(ロア全員および敵怪獣/レムナント)が行動を1回ずつ終えることを「1ラウンド」と呼びます。

時間制限(タイムリミット)

小型化したレムナントの再巨大化を防ぐため、20ラウンド以内に撃破(処分)しなければなりません。

②行動の決定

自分のターンが回ってきたら、「戦闘ダイス(6面)」を1回振ります。
出た面の数(1~6)に対応するコマンド(攻撃・必殺・専用技など)を即座に実行してください。

③ダメージ算出とスキル判定ルール

戦闘におけるダメージ計算は、以下の優先順位と計算式に基づいて行います。

1.基本ダメージ計算

計算式: (攻撃側の力) - (防御側の防御力) = 与えるダメージ

最低ダメージ保証: 上記の計算結果が 0以下 になる場合、その攻撃は一律 1ダメージ を与えるものとします。
※「連撃」の場合、1回ごとの攻撃判定すべてにこの最低保証が適用されます。

2. 防御スキルの有効期間

「防御」「大防御」の効果は、発動した瞬間から、次の自分の手番(次ラウンドの自分のターン)が回ってくるまで、持続します。
これにより、自分より「速さ」が高い敵からの次ラウンドの攻撃にも備えることが可能です。

3. 特殊スキルのダメージ処理

各タイプの専用技および「必殺」は、以下の特殊な計算を行います。

必殺
(自身の力 × 3)のダメージ。相手の「防御」「大防御」を無視(貫通)する。

貫通攻撃
敵の防御力を0として扱い、自身の「力」の数値をそのままダメージにする。

連撃
通常攻撃を、(自身の速さ)と同じ回数分繰り返す。※1回ごとに敵の防御力で減算。

大防御
自身の防御力を3倍にし、(自身の防御力 × 3)-(敵の攻撃力)の余剰分を反射ダメージとして相手に与える。

4. スキルの優先順位(必殺 vs 防御)

「必殺」と「防御スキル」がぶつかった際、特殊な裁定が発生します。

【必殺】 vs 【防御】
「必殺」の貫通効果が優先されます。相手の「防御2倍」を無視し、自身の「力×3」のダメージをそのまま与えます。

【必殺】 vs 【大防御】
1、ダメージ: 「必殺」が優先され、相手の「防御3倍」を無視してダメージを与えます。
2、反射: 同時に「大防御」の反射効果も発動します。攻撃側は反射ダメージを受けます。
(結果として、双方が甚大なダメージを負う、凄絶な相打ちとなります)

④ターゲットの選定(ヘイト管理)

敵(怪獣またはレムナント)がどのロアを攻撃するかは、公平を期すためダイスによるランダム決定を行います。

基本ルール: GMは攻撃の直前にダイスを振り、以下のルールに従ってターゲットを決定します。

ダイスの目:1・2 → プレイヤーA
ダイスの目:3・4 → プレイヤーB
ダイスの目:5・6 → プレイヤーC(2人パーティーの場合は再ロール)

⑤戦闘の終了条件

勝利

敵(怪獣またはレムナント)のHPを0にする。

敗北

・全滅: ロア全員のHPが0になる。
・タイムアップ: レムナント戦(Phase 5)において 20ラウンド が経過し、再巨大化を許す。

07.統合フェーズ(エンディング)

任務完了後、生き残ったロアたちは「処分」したレムナントの残骸から有用な遺伝子を抽出し、自身の肉体へと統合します。これにより、次なる怪獣災害に向けた【成長】が可能となります。

①成長ポイント(GP)の獲得

セッション終了時、生存しているロアは以下のポイントを獲得します。

・任務完遂報酬: 10ポイント(巨大怪獣を討伐し、レムナントの処分に成功した場合)
・特別貢献ボーナス: 3ポイント(RPや戦略で特に活躍したロアに、GMが授与)

ステータスの強化

獲得したポイントを消費し、ロアの基礎ステータスを恒常的に上昇させます。

力・防御・速さ:2ポイントにつき+1
HP:1ポイントにつき+5
探索ステータス(視力など):1ポイントにつき+1

②戦闘ダイス(OS)の拡張

2回目以降のセッションに挑む際、蓄積された経験によりダイスの設計限界が緩和されます。

設計コストの増加

セッションを1回クリアするごとに、ダイス構築のリソースが +1ポイント されます(初期13ポイント → 2回目14ポイント... 最大16ポイントまで)。
これにより、より強力なスキル構成や、「必殺」を複数面に配置した攻撃的なビルドが可能になります。