01.このゲームについて
人間と12種の獣人が平和に暮らす世界を舞台にしたTRPGです。
この世界には、ひとつの恐ろしい病が蔓延しています。
病は「猫鬼(ビョウキ)」と呼ばれ、猫鬼にかかった人は「猫人(ビョウニン)」と呼ばれています。
「猫鬼」は普通の病ではありません。
ストレスで弱った心に「猫魔(ビョウマ)」という魔物が住み着き、「縄張り(ナワバリ)」と呼ばれる精神世界を作り出すことで猫人を苦しめ、やがては死に至らしめるそれはそれは恐ろしい"呪い"なのです。
この呪いを治す人たちは「遠猫師(オンミョウジ)」と呼ばれ、プレイヤーのみなさんは遠猫師として猫鬼を治すのがこのゲームの目的です。
戦闘が得意な種族、探索が得意な種族と様々ですので、好みのキャラクターになり、猫人の精神世界に入り込んで猫魔を倒しましょう。
02.この世界について
十二支の獣人と人間の13の種族が住む「ヒトトエトノクニ」と呼ばれる世界です。
はるか昔、人々は種族ごとに国を持ち、争うこともせず平和に協力して暮らしていました。
ところが突如この世界にひとつの大きな危機が訪れました。
猫の魔王「暹羅(シャム)」が現れたのです。
暹羅は人の弱い心に取り憑き自在に操る力を持っており、その力を使って人々を争わせ、世界に混沌をもたらしたのでした。
苦しめられた人々は、暹羅を退治するため各国から勇者を選びました。
勇者たちは幾年にも及ぶ長い戦いの末、暹羅を撃ち滅ぼすことに成功したのでした。
13の国から選ばれた彼らを人々は「十三冠士(ジュウサンカンシ)」と呼び、讃えました。
ところが暹羅は滅びる間際にひとつの呪いを残していきました。
ある日突然、猫のような耳や尻尾、鬼のような禍々しい角が生え、身体は赤黒く変色し、高熱を出し立ち上がることも出来ず動けなくなり、最後には衰弱死してしまうという恐ろしい病が人々を襲ったのです。
弱った心に「猫魔(ビョウマ)」を住まわせ、心を壊し苦しめる、とても残酷な暹羅の呪いでした。
変貌した姿からこの呪いを「猫鬼(ビョウキ)」と呼び、猫鬼にかかった人を「猫人(ビョウニン)」と呼ぶようになりました。
異変が起きてから幾年もの時が経ち、人々はついに猫鬼を治す手段を見つけました。
猫鬼となってしまった人々の心に作られた「縄張り(ナワバリ)」と呼ばれる精神世界に入り込み、そこに住まう猫魔を祓うという「猫祓い(ネコバライ)」と呼ばれる方法でした。
猫魔を祓うには、縄張りに住まう猫魔を撃ち滅ぼす必要があります。
猫祓いを行うことができる人を「遠猫師(オンミョウジ)」と呼び、人々を暹羅の呪いから世界を救うため、日々戦っています。
03.キャラクターの作り方
①パーソナルデータを決める
キャラクターの名前・性別・年齢・種族やそのキャラクターの経歴を決めます。
名前・性別・年齢
自由に設定してください。
種族
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・人間の13種の中から1つ選択します。
種族によってサイズ、特性、基礎ステータス、戦闘ステータスが変化します。
サイズ、特性は種族ごとに固定となっており変更することは出来ません。
キャラクターの経歴
ステータスには一切影響しませんが、そのキャラクターの生い立ちや性格を決める指針となる情報です。
ロールプレイなどの方向性を決めることにもなります。
下記の表から2つ設定してください。
1D6(6面ダイスを1つ振ること)を2回行い、1回目で縦列・2回目で横列を決めます。
キャラクターの詳細については説明文に記入してください。
②キャラクターのステータス設定
基礎ステータスと戦闘ステータスに別れており、合計10ポイントの振り分けポイントを振り分けてもらいます。
初期ステータスは種族によって異なります。
ステータスは下記を確認して作成してください。
基礎ステータス
筋力・身軽さ・器用さ・感覚・幸運・知性・探索の7つとなっており、それぞれの値が大・中・小となっています。
基礎ステータスは、振り分けポイントを
4ポイント使用することで「小から中」に、
8ポイント使用することで「中から大」に
設定することが出来ます。
※サイズは種族ごとに固定となっており変更することは出来ません
基礎ステータスは探索時の判定に関わります。
例えば、「道をふさぐ大きな岩を押して進みたい」というような時は「筋力」で判定し、1D6を振って
基礎ステータスの筋力が“大”であれば“2”以上で成功
基礎ステータスの筋力が“中“であれば”3“以上で成功
基礎ステータスの筋力が“小”であれば“4”以上で成功
というように判定を行います。
戦闘ステータス
HP・攻撃力・防御力・すばやさ・命中・回避の6つとなっており、それぞれの値が数字で表されます。
戦闘方法は4.戦闘ルールに記載しております。
振り分けポイントは1ポイントずつ振り分けることができます。
③アイテム購入
プレイヤーは300Gの資金を所持しています。
この資金を元にキャラクターにアイテムをセットしてください。
回復アイテムや探索を有利に進めるアイテムもあります。
シナリオによってはお金そのものの方が使えるという事もあるかもしれません。
全てアイテムに換えてしまうかお金として持っておくかはプレイヤー次第です。
※アイテムはすべて使い捨てです
※○○判定+1とは、探索時1D6を振った際の出目に+1することが出来ます。
例えば、
基礎ステータスの筋力が”大”であれば“2”以上で成功という時に“1”が出てしまった場合、
「丑力珠」を使用することで、出目の“1”に+1をして“2”となり成功とすることができます。
④クリア報酬での成長
セッションをクリアすることでキャラクターにボーナスポイントとボーナスゴールドが与えられます。
与えられる報酬はシナリオによって異なります。
ボーナスポイントを振り分けることで作成したキャラクターを成長させることが出来ます。
成長のルールは3.キャラクターの作り方と同様のルールです。
04.戦闘ルール
このゲームの戦闘は6面ダイスを使用して行います。
各プレイヤーは「戦闘ダイス」を作成し、戦闘時にダイスを振って出た目により行動します。
またそれぞれの種族には「特性」と呼ばれる特殊な行動があり、戦闘ダイスに必ず組み込む必要があります。
①コマンドの説明
ダイスに使用できるコマンドは5種類で、攻撃・防御・回避・回復・特性です。
攻撃
戦闘ステータスの攻撃力分のダメージを与えます。
相手のコマンドが防御・回避以外であれば、攻撃力分のダメージをそのまま相手のHPに与えます。
防御
防御を行ったターンから次の自分のターンまで防御姿勢をとり、この間に受けた攻撃のダメージを軽減することが出来ます。
防御の計算は(相手の攻撃力)-(自分の防御力)です。
※防御力が相手の攻撃力を上回っている場合でも1のダメージは受けてしまいます
回避
回避を行ったターンから次の自分のターンまで回避姿勢をとります。
回避に成功した場合ダメージを0にする事が出来ます。
判定は(自分の回避力)VS(相手の命中力)で行います。
相手の命中に対して自分の回避が上回った場合のみ回避成功とします。
相手の命中と自分の回避が同等または下回ってしまった場合には回避に失敗し、相手の攻撃を受けダメージの軽減もありません。
回復
基本的に自己回復のみとなります。
「回復アイテムの使用」または「応急処置」にて行います。
回復アイテムを所持していても、応急処置による回復は可能です。
応急処置はダイス1D6を振って出た目の数字分HPを回復することができます。
特性
特性は種族ごとに決まっています。
戦闘ダイスに必ず1面入れる必要があります。2面以上入れることは出来ません。
※1 ○○ダイス+1について
○○ダイス+1はそのコマンドの効果に加え1D6の数値を追加します。
種族が亥の場合、基礎ステータス“9”の攻撃力に1D6の攻撃力を追加した攻撃を行います。
※2 抵抗ダイスについて
毒や眠りなどの状態異常となった場合には、ラウンド終了ごとに「状態異常を与えた人」と「状態異常になった人」で1D6の出目で対決を行います。
「状態異常になった人」が勝利すれば、状態異常を回復することが出来ます。
出た目が同じ場合も、状態異常を回復します。
②戦闘ダイスの作り方
6面ダイスに攻撃・防御・回避・回復・特性をそれぞれ割り当てて戦闘ダイスを作成します。
・攻撃は4面まで
・防御は2面まで
・回避は2面まで
・回復は2面まで
・特性は1面までで必ず1面入れる
というルールをもとに戦闘ダイスを作成してください。
例として
下記のような戦闘ダイスを作成して1D6を振った場合、
“1”または“2”が出た場合は攻撃
“3”が出た場合は防御
“4”が出た場合は回避
“5”が出た場合は回復
“6”が出た場合は特性に起因した行動を行います。
キャラクターの個性やステータスに合わせて攻撃の面を多めに設定したり、防御を付けず回避のみ設定するなど、自由に組み合わせて作成してください。
③戦闘の流れ
戦闘はキャラクターの戦闘ステータス「素早さ」の速い順に行動を行います。
それぞれの行動を行う順番を「ターン」と呼び、全員のターンが一周することを「ラウンド」と呼びます。
例えば、「防御が得意なキャラクター」を使用していたとしても、敵のターンが先で攻撃を受けた場合、ターンが回ってきていないキャラクターはその攻撃に対して防御が出来ないというルールとなります。
どちらかのHPが0になれば戦闘終了となります。
全てのプレイヤーのHPが0になった場合、敗北となります。
プレイヤー自身は命を落とすことはありませんが、猫魔の縄張りから追い出され元の世界に戻されてしまいます。
その時点で猫鬼を治すことが出来ない為、猫人が死んでしまうエンディングとなります。
05.ゲームルール
①基本的な判定の方法
戦闘以外でのプレイヤーの判定には「基礎ステータス」を使用します。
例えば「道をふさぐ大きな岩があります」のような場合、「岩を壊して進みたい」「岩を登って進みたい」など、プレイヤーのロールプレイ次第で色々な可能性が出てきます。
その際に探索の判定を行う必要があります。
「岩を壊して進みたい」となった場合、1D6を振って
基礎ステータスの筋力が“弱”であれば“4”以上で成功
基礎ステータスの筋力が“中”であれば“3”以上で成功
基礎ステータスの筋力が“強“であれば”2“以上で成功
というように基礎ステータスによって難易度が変わるというシステムになります。
この成功判定はすべてGMの裁量となります。
「物凄く大きくて硬い岩なので簡単には壊せないぞ?」とGMが考えた場合は、
筋力が“弱”のキャラクターの成功が“5”以上や“6”以上となるような可能性も十分にあります。
またプレイヤー側から「壊すのは難しいかもしれないが押しのけるのであればどうだろう?」というようにGMに相談をすることも可能です。判定の基準はGMがその都度考えるシステムになります。
プレイヤーとGMは下記のステータスを用いてロールプレイを行い、探索を進めてください。
②プレイヤーの目的とクリア条件について
プレイヤーの目的は「世界中にいる猫人を救うこと」です。
そのためには、「猫魔」の住む精神世界「縄張り」に行き、「猫鬼」の大元となっている「猫魔」を戦闘によって倒すとゲームクリアとなります。
「猫鬼」となってしまった人のストレスの原因を見つけ出しストレスを解消させることで、「猫魔」は弱っていき戦闘で有利になることでしょう。
例えば、
「学校に行きたくない」というストレスによって猫鬼にかかってしまった子を救うには、猫魔を倒す必要があります。
精神世界にあるであろう「学校の楽しかった思い出」などを見つけてあげることで猫魔を弱らせることが出来ます。
06.用語集
猫鬼(ビョウキ)
世界中で蔓延しているストレスによってかかる病気。
猫のような耳や尻尾、鬼のような禍々しい角が生え、身体は赤黒く変色し、高熱を出し立ち上がることも出来ず動けなくなり、最後には衰弱死してしまう病気。
猫人(ビョウニン)
猫鬼にかかった人たちの名称。
猫魔(ビョウマ)
猫鬼の原因となる猫の魔物。
猫人の弱った心に住みつき、縄張りを作って猫人を蝕む悪しき存在。
各シナリオのボス。
縄張り(ナワバリ)
猫魔が作り出した精神世界の名前。
猫魔が棲みつくダンジョンのようなもの。
縄張りの景色はストレスの内容や猫人によって異なる。
遠猫師(オンミョウジ)
猫魔を祓い、猫鬼を治す人。
猫祓い(ネコバライ)
遠猫師たちが行う猫鬼を治す治療法。
猫人の心にできた縄張りに入り込み猫魔を退治する、また縄張りを破壊する。
ヒトトエトノクニ
この世界の名前。
13の種族が住む平和な世界。
暹羅(シャム)
はるか昔に倒された猫の魔王。
滅びる間際に世界を呪い、猫鬼という病を残した。
十三冠士(ジュウサンカンシ)
各国から集結した十三人の勇者。
はるか昔に暹羅を打倒した。
化猫(ケビョウ)
猫魔が飼っている魔物。
俗にいう雑魚モンスター。
GM(ゲームマスター)
ゲームの進行役。